- NO.00068 MINNEW公開 2026.09.04社会の分断は止められますか?
異なる「現実」を生きる人々は、どう共存できるのか
誰かの投稿を見て、静かに画面をスクロールしたことはないでしょうか。反論したいわけでも、賛同したいわけでもない。ただ、何かを言えば面倒なことになる、という予感だけがある。日本では、職場でも家族の食卓でも、政治や社会について語ることは長らく「空気を読まない行為」とされてきました。沈黙は礼儀であり、対立は失礼であるという文化的圧力が、分断をゆっくりと、しかし確実に見えにくくしてきた。見えにくい分断は、解決されないまま積み重なります。この静けさの中に、社会の何が起きているのかを、人類学と社会科学の交差点から問い直してみます。
- NO.00058 MINNEW公開 2026.09.01AI時代における採用と教育と定着について
人間は、語れる以上のことを知っている
採用面接の場で、候補者が流暢に「私の強みはAIを活用した業務効率化です」と答えるとき、面接官はどこか釈然としない感覚を覚えることがある。言葉は整っている。論理も通っている。それでも何かが足りない。その「何か」を言語化しようとすると、今度は面接官自身が言葉に詰まる。この非対称な沈黙こそ、AI時代の採用・教育・定着という問いの核心を指し示している。知識を問う試験では測れない何かが、人間の仕事の中心に居座り続けているのだ。
- NO.00047 MINNEW公開 2026.09.01平和教育は終わってしまうのか
証言が消えた後も、平和教育は生き続けられる
七月の終わり、教室に折り紙の音が満ちる。子どもたちの指は迷わない——鶴の折り方は体に入っている。しかし「なぜ折るの?」と問われた担任教員が、しばらく黙った。被爆者の話を直接聞いたことがある教員は、2020年代の学校現場ではすでに少数派だ。証言者の平均年齢は84歳を超え、教室に来られる語り部は毎年減っている。折り鶴という行為だけが残り、その行為を意味で満たしていた声が消えていく。この静かな空洞を前に、平和教育は本当に終わろうとしているのか。それとも、証言なき時代にこそ開かれる別の回路があるのか。
- NO.00037 MINNEW公開 2026.09.01「便利になることで、私たちは何を得て、何を失うのか」
便利さは、文化の記憶を静かに消していく
古着屋の暖簾をくぐると、店主が無言で反物を広げ、傷の位置を指でなぞりながら「ここを折り返せばまだ使える」と言った。値段の交渉より先に、物の来歴が語られる時間があった。その場で子どもは、物には物語があること、傷は終わりではないことを、言葉ではなく空気として学んだ。いま、同じ品物はスマートフォンで数秒のうちに最安値が表示され、翌日には届く。得たものは速度と正確さだ。しかし失ったものは何か——その問いを、民俗学者の記録と生態学の概念と経済社会学の数値が、それぞれ異なる角度から照らし始めている。
- NO.00028 MINNEW公開 2026.08.23集合的なソーシャル・イノベーションへのプロセス
集合的イノベーションは、媒介によって召喚される
「気づいたら政策になっていた」——ある地域の食料支援に携わっていた担当者は、数年後に自分たちの試みが国の制度へ組み込まれていたことを、そう振り返った。意図して広げようとしたわけではない。ただ記録し、語り、隣の現場の人と話し続けた。その積み重ねが、いつの間にか別の言語へと翻訳され、制度の器に流れ込んでいた。小さな実践がマクロな変化へ昇華するプロセスには、設計図も英雄もいない。あるのは、無数の翻訳行為の連鎖——そしてその連鎖を可能にした「媒介」の存在である。この謎を解くために、社会科学・人類学・複雑系科学の知見を横断してみたい。
- NO.00019 MINNEW公開 2026.08.22AIにできなくて人間にできることは何か?という問いが不毛なのはなぜか?
「人間にしかできないこと」を問い続けるほど、人間は貧しくなる
会議室で、AIが作成した提案書を前に、誰も言葉を発しなくなる。 「これ、私たちが作るより良くないか」 そんな空気が漂い、誰かが「それでも、人間にしかできないことがあるはずだ」と口にする。しかし、その言葉で議論が前へ進むとは限りません。むしろ、AIに奪われない能力を探すことに意識が向き、目の前の提案をどう判断し、誰がその結果を引き受けるのかという問いが後景へ退いていきます。 「人間にしかできないこと」を問うこと自体が間違いなのではありません。どの仕事をAIへ任せ、どの能力を育てるかを考えるうえでは、必要な問いです。 問題は、その答えを人間の価値の根拠にしてしまうことです。
RITE EXPLORE/問いの連鎖
読み切ったからこそ生まれた問いに、答えがある。
読み終わった記事の中で、もう少し深く考えたい問いが立ち上がる瞬間があります。RITE EXPLORE は、その問いを書き込むと、ミラツクの知の基盤とともに 600 字の「深掘り記事」を作成する問いの連鎖の仕組みです。書かれた問いと深掘り記事は、他の読者の問いともつながり合い、新しい問いを呼び続けます。
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